既刊案内 Vol.15 『天下無双の建築学入門』

天下無双の建築学入門
藤森照信(著) 237 p ISBN: 4480059121 756円(税込)

〔目次〕
1 目からウロコ!?古代の建築術
   石器で丸太は伐れるのか?―磨製石器
   魔法的先端技術“縄”―しばる技術
   弥生的なるモノ―竹
   「夏は樔に宿」とは―樹上住宅
   腐らない土台の工夫―基礎と土台 ほか
2 アッと驚く!!住宅建築の技
   家は夏をもって旨とすべし―住宅
   シック・ハウスの代わりにシックイ・ハウスを!―建材
   引き戸とドアーを隔てる歴史的事情―戸
   日本建築の生命は床にあり―床
   厚さ数センチのヒエラルキー―畳 ほか

建築学の本というのに写真も図版もありません。
建材や道具、歴史、あるいは風土とは切っても切れない文化としての建築などが「建築探偵」藤森氏ならではの軽妙な文章で語られます。家を建てる前に一読しておくと、何かの役に立つことがあるかも?

2001年9月、筑摩書房『ちくま新書』より出版されています。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

既刊案内 Vol.14 『不可触民と現代インド』

不可触民と現代インド
山際素男(著) 237 p ISBN: 4334032230 735円(税込)

〔目次〕
第1章 この国の本当の主人公は誰か
第2章 目覚める人びと
第3章 インド史上最大の謎を解明する
第4章 仏教の白い花
第5章 インドは世界の有望な市場か?
第6章 インド史上初、不可触民出身の“女帝”州首相
第7章 暗黒時代の再来

最近日本でも急速な経済発展が報じられるインドですが、報道される以外の現実がここには記されています。25年前に山際氏が発表した『不可触民―もうひとつのインド 』と併せて読むと、この25年でインドの変わった部分、変われない部分が鮮明になります。大きな歪みを抱えたままの発展が今後どうなっていくのか、注目したいと思います。

2003年9月、光文社『光文社新書』より出版されています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

既刊案内 Vol.13 『帝国ホテル・ライト館の謎』

帝国ホテル・ライト館の謎―天才建築家と日本人たち
山口由美(著)  205 p ISBN: 408720054X 693円(税込)

〔目次〕
プロローグ
第1章 タリアセン
第2章 日本への憧れ
第3章 ニューヨーク
第4章 失われた時代
第5章 耐震神話
第6章 マッカーサーへの手紙
第7章 ライト館保存運動
エピローグ

 

TVや雑誌でホテルの特集が組まれると、必ずといっていいほど名前があがる「帝国ホテル」。この日本を代表するホテルの玄関だったライト館。でもその稼動年月は実は40余年というのが、写真はもとより移築された愛知県犬山市の明治村で見る実物の重厚な雰囲気に反して、あまりにも短かったことに驚かされます。
他にも関東大震災に見舞われた落成完成式典やライト氏のスキャンダラスな人生など、ライト館には実はさまざまなミステリーが潜んでいるのだと驚きの連続でした。

2000年9月、集英社『集英社新書』より出版されています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

既刊案内 Vol.12 『お骨のゆくえ』

お骨のゆくえ―火葬大国ニッポンの技術
横田睦(著) 229 p ISBN: 4582850510 735円(税込) 

〔目次〕
第1章 誰にも負けないデッカイ墓をつくってみよう
第2章 火葬技術大国ニッポンの光と影
第3章 葬送の名脇役たち
第4章 墓地が公園になった日
第5章 葬送は進化するか?

 

日本では亡くなったらほぼ100%火葬されお墓に納められますが、それは案外最近の話で、江戸時代には火葬を禁止していた藩もあったそうです。
人は病院で生まれ病院で死んでいく現在、普段の生活から遊離してしまった「人を弔う」ことにまつわる歴史や、他の国の事情などが様々な視点から描かれます。

2000年7月、平凡社『平凡社新書』より出版されています。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

既刊案内 Vol.11 『動物裁判』

動物裁判―西欧中世・正義のコスモス
池上俊一(著) 234 p ISBN: 4061490192 735円(税込)

〔目次〕
第1部 動物裁判とはなにか
   1 被告席の動物たち
   2 処刑される家畜たち
   3 破門される昆虫と小動物
   4 なぜ動物を裁くのか
第2部 動物裁判の風景―ヨーロッパ中世の自然と文化
   1 自然の征服
   2 異教とキリスト教の葛藤
   3 自然にたいする感受性の変容
   4 自然の観念とイメージ
   5 合理主義の中世
   6 日本に動物裁判はありえたか

 

表題の「動物裁判」を「鳥獣戯画」のような人間社会を風刺するためのモチーフの一つかと思って手に取ると全く違いました。キリスト教が生活の隅々にまで入り込んでいた中世ヨーロッパでは、実際にブタやウシを被告とする裁判が開かれています。シュールレアリスムの極みとも思えるような現実を、本書で確かめてみてください。

1990年9月、講談社『講談社現代新書』より出版されています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

既刊案内 Vol.10 『実録アヘン戦争』

実録アヘン戦争
陳舜臣(著)212 p ISBN: 4121002555 693円(税込)

〔目次〕
第一章 衰世
第二章 ひるねの友
第三章 狭い門戸
第四章 論争
第五章 点火
第六章 虎門の煙
第七章 戦火
第八章 アヘンのために
第九章 プリズムの時代

 

陳舜臣氏が同名の小説『阿片戦争』を上梓してなお書ききれなかったこの戦の側面を「実録」として綴った書です。
繁栄を極めたイギリスがアジアでおこなっていた事、国の趨勢を決める難局にあっても権力闘争に汲々としている清の官吏たちの姿……。1971年の発行から35年、今も読み継がれる新書です。
第25回毎日出版文化賞受賞作品。

1971年6月、中央公論新社『中公新書』より出版されています。
                         (当時は中央公論社でした)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

既刊案内 Vol.9 『砂糖の世界史』

砂糖の世界史
川北稔(著) 208 p ISBN: 4005002765 819円(税込)

〔目次〕
プロローグ 砂糖のふしぎ
第1章 ヨーロッパの砂糖はどこからきたのか
第2章 カリブ海と砂糖
第3章 砂糖と茶の遭遇
第4章 コーヒー・ハウスが育んだ近代文化
第5章 茶・コーヒー・チョコレート
第6章 「砂糖のあるところに、奴隷あり」
第7章 イギリス風の朝食と「お茶の休み」―労働者のお茶
第8章 奴隷と砂糖をめぐる政治
第9章 砂糖きびの旅の終わり―ビートの挑戦
エピローグ モノをつうじてみる世界史―世界史をどう学ぶべきか

 

日頃何気なく口にしている砂糖。最近では美容や健康のために控える人も増えましたが、つい誘惑に負けてしまうという人も多いかと思います。その砂糖が、いつ頃、どこで作られ、どのようにして世界に広がっていったのか、そしてその過程で生み出された不幸――植民地や奴隷制度、さらには砂糖とイギリスやアメリカなど西欧各国との関わりが解りやすく描かれています。

 

1996年7月、岩波書店『岩波ジュニア新書』より出版されています。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

既刊案内 Vol.8 『からだを読む』

からだを読む
養老孟司(著) 206 p ISBN: 4480059636 714円(税込)

〔目次〕
口と肛門

唇とその周辺


口の天井と床

舌とことば

呑み込む
食道

胃と十二指腸
小腸
小腸から大腸へ
肝臓
肝臓と胆嚢
膵臓
大腸
直腸

 

バカの壁 』の著者、養老孟司氏が、専門の解剖学からみた人体を解りやすく綴った医学エッセイです。口に入った食物がいかなる経路をたどり、いかなる臓器の働きで消化されて体外に排出されるのか、多くの図版と共に記されています。

 

2002年9月、筑摩書房『ちくま新書』より出版されています。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

既刊案内 Vol.7 『花見と桜』

花見と桜―日本的なるもの再考
白幡洋三郎(著) 240 p ISBN: 4569610633 693円(税込)

〔目次〕
第1章 「花見」論へ―「桜」の民俗学を超えて
第2章 外国人が見た花見
第3章 世界に花見はあるか
第4章 花見と近世都市江戸―民衆的日本文化の誕生
第5章 花見の文学
第6章 現代社会と花見
終 章 花見の根源を考える―社会人類学・社会心理学的花見論

 

毎年春になると桜前線なるものがやってくる日本。日本人はなぜこれほどにも桜が咲くのを心待ちにするのでしょう。
桜を愛でに出かける前に一読すれば、また違った花見が楽しめるかも知れません。

 

2000年3月、PHP研究所『PHP新書』より出版されています。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

既刊案内 Vol.6 『元禄御畳奉行の日記』

元禄御畳奉行の日記―尾張藩士の見た浮世
神坂次郎(著) 208 p ISBN: 4121007409 693円(税込)

〔目次〕
八千八百六十三日の日記
武士学入門
御畳奉行どの
元禄社用族
おかしな侍たち
浮かれ妻騒動
心中ばやり
城下の事件簿
街談市語
文左衛門の退場

 

御畳奉行…、いかにも厳めしいお侍様の記録かと思いきや、お酒、お芝居、釣り、それに女性が大好きな、ごくごく普通のお役人が27年間したためた日記です。
江戸でもなく上方でもない、一地方の元禄時代、庶民がいかに暮らしていたのか新たな発見があるかも知れません。

 

1984年9月、中央公論新社『中公新書』より出版されています。
                         (当時は中央公論社でした)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

既刊案内 Vol.5 『黒いスイス』

黒いスイス 
福原直樹(著) 206 p ISBN: 4106100592 714円(税込)

〔目次〕
ロマ(ジプシー)の子供を誘拐せよ
「悪魔」のスタンプ
それぞれの戦い―「祖国」と「人道」の狭間
中立国の核計画
理想の国というウソ(「相互監視」社会
民主主義社会
「ある政治家との対話」)
マネーロンダリング

 

スイスといえば、永世中立国であることやアルプスの山並み、静かな湖畔などから喚起されるイメージはおおむね美しいものですが、本書ではそうではないスイス、広く知られるマネーロンダリングの黒い部分だけではなく、ヨーロッパのほぼ中央という土地柄に起因する様々な国家的トラブルを、いかに回避し国家を存続させてきたのか、そのあざといまでの政策や、思いの外排他的な国民性が綴られています。スイスもまた綺麗なだけではない、黒い部分も当然のように存在する国なのだと思いました。

 

2004年3月、新潮社『新潮新書』より出版されています。

 

| | コメント (0) | トラックバック (1)

既刊案内 Vol.4 『慰謝料法廷』

慰謝料法廷―男と女のトラブルファイル 
大堀昭二(著) 230 p ISBN: 4166602845 735円(税込)

〔目次〕
慰謝料とは何か
男の婚約破棄の裏にあった事情
妻子の家出から始まったエリート社員の悲劇
外科医とその妻の調停離婚
法廷でも、もつれにもつれた離婚闘争
男の背信、老女将五〇年後の孤独
愛人関係の解消と手切れ金
マリッジブルーの男に翻弄された女
財産分与・慰謝料五億円の裁判バトル
パソコンを覗いて知った夫の不倫メール

 

愛人、不倫、不貞、暴力、中絶、離婚、財産分与…と、ひとたびこじれた男女関係は、修復はもとより関係解消のための話し合いさえ難しい部分があります。
弁護士を介しての示談交渉、裁判所での調停等、関わり合いになりたくないのに無関心ではいられない、そんな様々なケースを現役の弁護士が綴っています。

2002年11月、文藝春秋『文春新書』より出版されています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

既刊案内 Vol.3 『階級にとりつかれた人びと』

階級にとりつかれた人びと―英国ミドル・クラスの生活と意見 
新井潤美(著) 204p ISBN: 4121015894 735円(税込)

〔目次〕
第1章 二つのミドル・クラス
第2章 ヴィクトリア朝―せせこましい道徳の時代
第3章 「リスペクタビリティ」という烙印
第4章 「郊外」のマイホーム
第5章 ロウアー・ミドル・クラス内の近親憎悪
第6章 貴族への憧れ、労働者への共感
第7章 階級を超えるメアリー・ポピンズ
第8章 クール・ブリタニア―「階級のない社会」?

 

近頃の日本を語るキーワードとして下流社会、階層社会、格差社会が取りざたされますが、この本は19世紀のイギリスで確立した二つの中流階級、アッパー(上)とロウアー(下)のミドルクラスが描かれています。
イギリスのロウアーミドルクラスは、「中流から下流へ」と定義した三浦展氏の『下流社会 新たな階層集団の出現 』とはまた異なりますが、果たして100年後の日本が今のイギリスのような階級社会になっているのか、それとも「パラサイトシングル」同様「下流社会」は一過性の言葉で終わるのか、色々と考えさせられました。

  

2001年5月、中央公論新社『中公新書』より出版されています。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

既刊案内 Vol.2 『移民と現代フランス』

移民と現代フランス―フランスは「住めば都」か
ミュリエル ジョリヴェ (著), Muriel Jolivet (原著), 鳥取 絹子 (翻訳)
ISBN: 4087201899 882円(税込)

〔目次〕
第1章 背景を数字で見ると
第2章 フランス人は人種差別主義者か
第3章 ブールのアイデンティティ
第4章 フランスにおける巧妙な差別の実態―二つの速度
第5章 女性は同化の原動力?―ブールの女性たち
第6章 フランスの一夫多妻制
第7章 デリケートな問題―サン‐パピエ

 

最近しばしばニュースで見るヨーロッパ社会と移民との対立。
この本はフランスでの取材をもとに執筆されていますが、おそらくはヨーロッパ社会が共通して抱えている移民問題、特にアラブ移民との共生の難しさの一端をうかがうことが出来るのではないでしょうか。

 

2003年4月、集英社『集英社新書』より出版されています。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

既刊案内 Vol.1 『誰も「戦後」を覚えていない』

誰も「戦後」を覚えていない 
鴨下信一(著) 224 p ISBN: 4166604686 756円(税込)

〔目次〕
風呂と風呂敷―それを盗みとは言わない
敗戦のレシピ―代用食を美味しく食べる方法
殺人電車・列車―混雑と衝動
間借り―監視し監視される生活
闇市―ヤクザは隣人
預金封鎖―ペイ・オフは昔からあった
何であんなに寒かったんだろう―気象と犯罪・災害
シベリヤ抑留―64万人の拉致
玉音放送
美空ひばりへの愛憎―日本の心とアメリカへの憧れ
復員野球―幻影も一緒にプレーしていた
肉体の門―性と解放
何を信じたらいいの?―漢字制限・新仮名づかい
ラジオ・デイズ―それは「ごった煮」の文化だった
Survivor’s Guilt―あとがきに代えて

 

敗戦直後の5年間、寝ることも食べることも必死だった時代。
ほんの60年前の日本なのに、まるで別の国の話のようです。何もないのに何でもあった、当時の日常が綴られています。

 

2005年10月、文藝春秋『文春新書』より出版されています。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)